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「塩分は1日何gまで」と調べると、日本の男性7.5g未満・女性6.5g未満と、世界保健機関(WHO)の5g未満が出てきます。どちらも成人向けの食塩相当量を示す数字ですが、同じ方法で決めた値ではありません。1 2
日本の数字は、生活習慣病の予防を目的に、健康上の根拠と日本人の摂取状況を踏まえて設定した目標量です。WHOの5g未満は、世界共通の推奨です。日本の数値を「ここまでなら安全」と読んだり、二つの差をそのまま健康効果の差と読んだりはできません。2 3 「目標量」とほかの指標の違いは、食事摂取基準の用語解説でも整理しています。
まず、何を数えている?
日本の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」で、18歳以上のナトリウムの目標量は食塩相当量で男性1日7.5g未満、女性1日6.5g未満です。18歳以上では年齢による区分差はありません。WHOは成人のナトリウムを1日2,000mg未満、食塩に換算して5g未満と推奨します。1 2
生活習慣病予防の目標量
生活習慣病予防の目標量
ナトリウム2,000mg未満に相当する推奨
食塩相当量は、食品に含まれるナトリウムを食塩の量に換算した表示です。WHOの換算では、食塩1gはナトリウム約400mgに当たります。「ナトリウム2,000mg」と「食塩5g」を別々に足し合わせるものではありません。2
なぜ日本とWHOで違う?
厚労省の報告書は、WHOの5g未満を参照しつつ、日本での習慣的な摂取量も考慮したと説明しています。2018・2019年の国民健康・栄養調査で得た摂取量の中央値と、WHOの5g未満との中間値を出発点に、年齢・性別の値を調整しました。報告書は、5g未満を日本の目標量にそのまま置くと、現時点では実行可能性の観点から適切でないと判断しています。3
つまり日本の7.5g・6.5gは、健康への影響がそこで急に変わる安全ラインではありません。日本の目標量は現状を踏まえて摂取量を下げるための基準であり、WHOの値と競わせて「どちらが正しいか」を決める数字でもありません。3
実際には、どのくらい摂っている?
2024年の国民健康・栄養調査では、20歳以上の食塩摂取量の平均値は1日9.6gでした。これは調査集団の平均で、あなた自身が9.6g摂っているという意味ではありません。日本の食事摂取基準は18歳以上を対象にし、この調査値は20歳以上を集計しています。対象年齢と指標が違うため、9.6gから個人の「あと何g減らすべきか」を一律には決められません。4
「健康日本21(第三次)」にある7gも見かけます。これは食塩摂取量の国民平均を下げるための政策目標です。食事摂取基準の男女別の目標量や、WHOの成人向け推奨と同じ種類の数字として並べないことが大切です。4
食卓で確かめるなら
まず、加工食品や総菜の栄養成分表示で「食塩相当量」と「何g・何食分あたりの値か」を確認します。表示は100g、1食分、1包装など、食品によって単位が違います。5
一つの食品だけで1日の量を判断せず、調味料や汁物も含めて考えます。減塩の具体例として、厚労省のe-ヘルスネットは、麺類の汁を残す、味を確かめてから調味料を使う、酢や香辛料を活用する方法を挙げています。6
毎日きっちり数字を揃えることより、普段の食事で食塩相当量の多い場面を見つけることが出発点です。ただし、高血圧や腎臓病などで食事の指示を受けている場合は、一般向けの数字ではなく担当の医療者の指示に従ってください。1 6
根拠と限界—格付け対象外
個別の介入研究を格付けする記事ではありません。厚生労働省の2025年版食事摂取基準、WHOの2026年版解説、2024年国民健康・栄養調査の異なる指標を説明します。
日本の2025年版食事摂取基準では、18歳以上の食塩相当量の目標量は男性7.5g/日未満、女性6.5g/日未満です。WHOは成人に5g/日未満を推奨します。
日本の目標量までなら健康への影響がない、WHOの5gを全員が直ちに達成すべき、1日の表示値だけで個人の健康状態を判定できるとは言えません。
この情報の限界
- 日本の目標量とWHOの推奨は、策定方法が異なります。数値の差を効果の大小や安全境界とは読めません。
- 2024年の9.6gは20歳以上の集団平均です。個人の普段の摂取量や、特定の日の食事の診断には使えません。
- 高血圧や腎臓病などで治療・食事制限を受けている人には別の指示があり得ます。個別の摂取量は担当の医療者と確認してください。
参考資料
- 食事による栄養摂取量の基準 別表第三十四 ナトリウムの食事摂取基準 ↗厚生労働省 · 2024
- Sodium reduction ↗World Health Organization · 2026
- 日本人の食事摂取基準(2025年版)策定検討会報告書 ナトリウム ↗厚生労働省 · 2025
- 令和6年国民健康・栄養調査 結果の概要 ↗厚生労働省 · 2025
- 食品の栄養成分表示制度の概要 ↗消費者庁 · 2025
- 栄養・食生活と高血圧 ↗厚生労働省 e-ヘルスネット · 2026